千葉のお客様の工場内で使用している自動搬送機(以下、AGV)のバッテリーEP65 2個セットをお預かりし、充電器で充電して「放電試験」し、その後復元処理して「放電試験」して性能の回復を比較してみました。
結果、54%の能力が90%まで回復しました。
2年間使用して交換したバッテリーを放電試験
お預かりしたバッテリーを充電器で充電した状態を測定したデータです。
①電圧は規格12Vに対して2個とも13.3V 以上ありますので問題ありません。
②比重は満充電時に1.280まで上がることが基準ですので、比重の低いセルがあるということは、十分に充電できない状態になっていることを表します。硫酸鉛が結晶化して極板から取れない状態になっています。一般的に「サルフェーション」と言われる症状です。
③放電試験は12Vを1個で実施しています。JIS規格で65Ah(5時間)とバッテリーに表記がありますので、以下の設定で放電しています。
・放電電流=65Ah/5hr=13A(アンペア)
・電解液温度=20℃
・放電終止電圧=10.5V
・試験方法としましては、放電電流をバッテリーから放電し、放電終止電圧まで電圧が下がる時間を計測します。5時間が定格容量ですので、計測時間を5時間で割って放電の能力とします。例えば4時間持てば、80%となります。
放電試験に関する詳細は、JIShttps://kikakurui.com/c8/C8704-1-2006-01.htmlを参照願います。
1.56.01%
2.53.19%
となりました。
復元処理した後の放電試験
復元機で復元処理し、電極板に結晶化している硫酸鉛を分解した後に計測したデータです。
・電圧は復元機での充電だけですので13Vまでしか上がっていません。
・比重は1.270まで上がっています。
・放電試験は2個連結で実際の使用状態に即して実施しました。結果は 90.96%です。
新品は100%以上です。