過充電のバッテリーは交換するしか選択肢がありませんでした。ディーラーから交換を勧められており、実際に稼働可能時間も短くなっていました。
復元前データ→放電試験のデータ→1年間使用したデータ→再度復元したデータを近日アップします。
結果的「条件的に復元可能」です。
初期診断の状態
印刷業のお客様で年次点検で「バッテリー寿命終期」という判定を受け、バッテリー購入を検討していました。
相談を受けてバッテリー診断したデータです。
よく、過充電といいますがこの状態が過充電です。
6番と24番セルの比重が極端に低くなっています。電圧は2.1V 程度あるのですが、比重は極端に低いです。
ほかのセルは2.2V 以上あり高いです。
車載充電器の特性上、全体の電圧が55V 程度で充電が終了しますので、電圧が高いセルがあると、ほかのセルは充電される前に充電が終了してしまいます。その状態で充電放電を何度も繰り返すと比重の差がどんどん開いてきて、バッテリー全体の能力が低下してしまいます。
抵抗値は高くなっていませんので、電極板自体の劣化が進んでいません。
復元(再生)後の放電試験結果
弊社の復元装置で充電すると6番24番セルの比重も上がっていることがわかります。
定電流80アンペアで放電させると5時間の93%の時間で終息電圧42Vまで下がり試験終了となりました。
ちなみに弊社の放電試験機は一定抵抗の簡易試験機ではなく、定電流を抜ける抵抗を変化させるタイプのJIS規格準拠のものです。
10ケ月後の診断結果
作業終了後の18時計測データです。
1番、4番、6番、16番、17番、21番セルの比重が下がりすぎています。バッテリー全体の能力は相当低下しています。
現地で土日再復元した結果
金曜日の18時から月曜日の8時まで弊社復元機を現地に持ち込んで再度復元をしたかったのですが、土曜にの午前中まで使用されるということで土曜日の15時から月曜にの8時まで36時間復元した結果です。
比重だけを計測してあります。時間不足で20番は比重が上がり切れていませんが、ほかのセルは十分に充電されています。
再度、近々土日で復元します。
結論
過充電になったバッテリーは、復元(再生)した後も比重のバラツキが出やすいということがわかります。
10か月スパンでは長いので、6か月毎に復元機で比重を一定にする処置をしていけば、末永く使用可能ということです。